「惑星おもち」からお餅のおいしさを広めるためにやってきた、その名も「おもちちゃん」!
あっ……大気圏突入で燃え尽きかけているそうで……。確かに焦げています。でも落ちる途中で「ぷくぅっ」とパラシュート状になり、「ふわっ、ふわっ」と下りてきたおもちちゃん。無事、野原に到着しました!
「もちっ」とちぎれて飛び出した、小さな白いおもちちゃんを、木のかげからびっくりしたうさぎがのぞいています。かわいいおもちちゃんですが、本人だけでは何もできなさそうです。そこへ……たのもしい仲間たちが登場!
「うすです!」「きねです!」「おこめです!」「むしきです!」「おつゆです!」他にもきな粉とか、醤油、海苔、つぶあん・こしあん、大根、チーズ……。すごい、すごい。これだけ仲間がいれば、お餅のおいしさを広められそうですね。
「おーもーちーちゃーーーん」
アイドルにむかって呼びかけるように、「おもちっ おもちっ」と声に出して読むと、子どもも大人もテンションが上がってきます。集まってきた森の動物たちから沸き上がる「おもち」コールに、何だかこちらも元気になる絵本です。
つきたての餅が大好きだというきたがわめぐみさんは、幼稚園教諭経験者。園でのお餅つきの導入に使えるような絵本をと願って、本書を作ったそうですよ。ダイナミックに描かれた楽しいイラストで、餅米を一晩水に浸すこと、蒸した米からお餅になる過程、食べ方までばっちりわかります。未就学児から小学校低学年くらいにおすすめです。
きたがわめぐみさんの作品には『カレーちゃん』(アリス館)という絵本もあります。あわせてどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む