野原の好きな「のはらおばさん」が、子どもたちを連れて野原を歩くお楽しみ会「のはらクラブ」。今回は白い野原、つまり雪の野原を散歩する、冬にぴったりなおはなしです。
おばさんとのんちゃんは、のはらクラブの他のメンバーたちを誘わずに2人で出かけました。雪の上を歩く昔ながらの道具「かんじき」が2つしかなかったのです。最初に出会ったのは、不思議な足跡。おばさんは早速、名推理でキツネとタヌキの足跡だと解説! こんな風に「これはなんだろう?」「あれはなにかな?」なんて、自然観察をしながらのお散歩が続きます。雪のかまくらでのこたつ体験や俳句作り、牛舎のサイロの仕組みなど、大人も知らないエピソードがいっぱいで、ワクワクしながら読み進めていくと……。
不思議なことに、おばさんとのんちゃんは、雪の野原で次々とのはらクラブのメンバーたちと出会うのです。
そうしてみんなで一緒にワイワイおしゃべりしながら歩いて行くのですが、なんだかみんなの様子がちょっと変。
かんじきも履かず、軽装で寒さもへっちゃら。そして、「おやつ」という言葉が出た途端に……!?
ラストでびっくりしたら、もう一度読み返してみてください。あちこちに、ヒントが隠されていたことに気づきますよ。
『まあちゃんのまほう』など、軽妙なファンタジー世界が魅力のたかどのほうこさん。今作でも、知らない間に、たかどのほうこワールドに迷い込みます。読み物ですが、絵もたっぷり。絵が多彩な解説となって、物語をわかりやすくナビゲートしてくれます。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
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