昭和30年代の東北の町に暮らす少年たちの躍動感に満ちた一年間を描く。小学五年の明夫は友人と「三銃士」を結成し互いの忠義を誓う。そんな矢先、川遊び場を巡って隣町の子供会との争いが起き、町内のリーダーである中学生のもと決戦の準備が始まる……。初夏の決戦、夏の川遊び、秋の祭り、冬の砦の解体とリーダー交代……。小学生から中学生までの地域の子ども集団が生き生きと輝きを放っていた最後の世代に立ち会ってしまった著者による渾身の記録少年文学。 梨木香歩・解説「継承されていく大将の器─日本の路地に、走り回る子どもたちがいた頃ー」収録。
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