女の子の視線の先に見えるのは? 『まって! まって!』【NEXTプラチナブック】
風がびゅーっとふいてきて……あっ。 大変、ぼうしがとばされた!
「まって! まって!」
女の子が追いかけるけど、ぼうしはどんどんとばされて。 あともうちょっとなのに、追いつきません。
「まって! まって!」
ぼうしは女の子の目線のすぐ先。ベンチに落ちたかと思えばまた飛んで、ネコの頭にかぶさったと思ったら、走り出し。どこまでいくの?
横長の形で切り取られているのは、女の子から見える景色だけ。大人はスカートやズボンで登場し、高いところにあるものはよく見えない。そのかわり、小さな生き物や植物はよく見える。なんて愛おしい子どもの世界。
子どもは一緒にぼうしを追いかけながら、大人は優しく見守りながら、ページをめくるたびに何度でも楽しめるこの絵本。ほかにもどんなストーリーがかくれているのか、少しずつ発見してみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
風に飛ばされた帽子を追ってどこまで行くの? 子どもの目線から描かれる、やさしくて愛しい日常のひとコマ。 ごく少ない言葉だからこそ、女の子の心の機微が伝わってきます。 主人公以外の周りの人たちの様子まで楽しい、 絵を読むおもしろさがつまった、何度も開きたくなる絵本!
風に飛ばされた帽子を追いかけて必死な女の子と、周りの人間や動物たちとのドタバタ喜劇です4.
この本のユニークさと楽しさは、少女の背丈で画面を切ってしまった横長の絵本で、画面から上は見えないことです。
少女の両親は最後になるまで顔も表情もわかりません。
座っている老人や同じ背丈の女の子たちの他は、胸から下の姿しか描かれています。
どんな人が、どんな表情でそこにいるのか、想像すると楽しくなってきました。
みんなマスクをしていたら、もっと複雑な思いだったでしょうね。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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