めくるしかけが楽しい「面白い!鎌田歩の人気かがくえほん」シリーズ。「のりもの」「恐竜」「昆虫」「水辺の生きもの」と続き、5作目の今回はサバンナのどうぶつを取り上げます。
サバンナの水辺でゾウやカバの親子が水浴び。「みずあびってむずかしいな」子ゾウが悪戦苦闘している様子。そこで丸く切り取られたページ中央部分のしかけをめくると……。「ざばー!!」親ゾウが長い鼻からシャワーのようにして、子ゾウに水を掛けました。わーい!と喜ぶ子ゾウ。親ゾウの鼻シャワーは大迫力だったのでしょう。周りのカバの親子も口を開けて驚いています。
次のページではお昼寝をしている大きなカバが、水面から半分だけ体を出して寝ています。そこに小さなワニが近づいてきました。しかけをめくった次の瞬間!「コラーッ!近づきすぎだぞ!」カバが大きな口を開けて威嚇。カバの背中で羽を休めていた鳥たちも、驚いて一斉に飛び立ちました。
それからもキリンやミーアキャット、ライオンにシマウマなどが次々と登場。ページを縦にしたり、横に広げてワイドにしながら、サバンナを生きる動物たちの様子を眺めます。さらにはしかけによって、生きものたちの決定的瞬間をキャッチ。多種多様な生きものたちが、生きるために本能を研ぎ澄まして生活している様子が、ページからひしひしと伝わってきます。
動物の親子のほのぼのした姿から、外敵から逃げる緊張感あるハラハラの場面まで、サバンナで起こるいろんなシーンを見せてくれる作品。鎌田さんのリアルでかつ、あたたかみのあるイラストは想像力が広がって、自分もその場にいるような錯覚を起こします。眺めの良い広々とした草原を眺めれば気分も爽快。サバンナの乾いた風を感じることができますよ。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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