みこちゃんはおみそしるが大好きな女の子。「しってる?おみそってつくれるんだよ」みこちゃんは、早速お母さんと一緒にみそ作りに挑戦します。大豆を煮てつぶし、塩と麹を混ぜてたらみそだまをつくる。それを隙間なく並べたら出来上がり。でもこれで完成ではありません。みそは寝かさなければいけないのです。
涼しい場所に置くことになった手作りのみそ。みこちゃんは嬉しくて毎日「おはよう」「ただいま」「おやすみ」と、みそに話かけています。ある時みこちゃんは、みその上にちいさい子がいるのを見つけます。みこちゃんはその不思議な子を「みそこちゃん」と名付けました。毎日少しずつ大きくなるみそこちゃんは、飛んだり跳ねたりとっても元気に成長していきます。ところが、秋になると、目をつむったまま動かなくなりました。枕元に置いて一緒に寝たみこちゃんは、その晩、夢の中でみそこちゃんと出会い、ある約束をします。
作者のかとうまふみさんは、『しゃもじいさん』『ぬかどこすけ!』(あかね書房)など、楽しい作品をたくさん生み出している作家さんです。こちらの作品は、実際にみそ作りの奥深さにはまった経験が物語になっているそう。みその製作過程とともに、みその健康効果も伝えてくれます。
自分で作ったみその味は格別でしょうね。みこちゃんも毎日、みそこちゃんのお味噌汁を飲んでいるようですよ。実はこの絵本の表紙見返し部分には、手作りみそのレシピつき。こちらを参考に、親子でみそづくりに挑戦することもできるのです。夏休みの自由研究にみそ作りなんていうのも、いいかもしれませんね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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