「ふっと…」
思うことって、どんなこと? それはきっと、自分でも思いもよらなかったこと。思いもよらなかったことをしてみたくなること。たとえば……
ぞうさんが「ふっと…」上を見て、鼻をのばして、雲にぶらさがってみたり! 大きなビルが「ふっと…」思い立って、富士山に横になってみたり!?
それからね。ふっと…、なんとなく。なんとなく気がついたら、誰かのそばにいることだって。思いがけないことがあるって素敵。思いつきって、悪くないよね。
「ふっと…」に続くのは、内田麟太郎さんの言葉によるナンセンスの世界。なんの脈略もなく、なんの意味もなく、ふと起こっていく出来事の数々。それを描くのが、松成真理子さんの詩情豊かで愛らしい絵。ふとした出来事が、かけがえのないものになっていく。そんな瞬間を絵本の中で味わうことができるのです。
「ふと…」
今、自分はどんなことを思うのかな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ふっと、思いもしなかったことがしたくなり、ふっと気づいたらそこにいる。「ふっと…」というフレーズと、ページをめくったときのギャップが楽しい作品です。内田麟太郎氏らしいナンセンスを松成真理子氏が詩情豊かに描きました。
「ふっと…」で始まるページをめくると予想外の展開が待ち受けています。ゾウは雲につかまり、ビルは富士山で寝っ転がり、ネコは月と友だちに!?まさか!がいっぱい詰まった、詩情豊かでナンセンスな絵本です。緩急ついた展開についつい引き込まれます。 (ぼんぬさん 40代・ママ 女の子6歳、女の子2歳)
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