夜になると、夜行性の動物たちが「ナイトランチ」を訪れます。キツネにはミンスパイ、アナグマにはサンドイッチ。お店の中はジュージュー、パチパチと、おなかが空く音で満たされていきます。けれども外には、パンのかけらを探す一匹のネズミ。仕事を終えたフクロウは、ネズミをお店に招き入れて…。
表紙の絵とタイトルから、捕食者フクロウとネズミの、スリルとユーモアの追いかけっこの話だと思い、手に取りましたが、全く違いました。
どこか、都会の片隅。
満月の真夜中。
フクロウが経営する食堂馬車がやってきます。沢山のお客さんがナイトランチを食べ、閉店時間のその後で…。
心に沁みる小さなやさしさと、甘すぎないセピア色の絵と、詩のようなシンプルな文章に、読み終わった後、何とも不思議な気持ちになりました。
奇妙な味わいの一冊。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子12歳)
|