「あ」はあんぱん、「い」はいえ……、左ページにはひらがなが、そして右ページにはその文字で始まるものの絵が、1見開きごとに描かれます。木で組み立てられ、木目まで美しく描かれたひらがなの文字と、どこかなつかしい日本の伝統的な形の絵がみごとに結びつきます。さらに、ページのまわりには文字に関連した飾りも描かれ、その中にも絵が隠れています。字を覚えるためではなく、ことばの美しさを感じることのできる1冊です。
奥が深く、美しく、ため息が出ました。
2歳の息子に購入しましたが、子どもから大人まで、長く楽しめる本です。
私は子どもの頃から安野さんのファンだったのに、これまでどうしてこの本を読んだことがなかったのだろう、と悔しい思いです。
まず、精緻で美しい描写にうっとり。
そしてページをめくるたびに「なるほど!」と感心。
この一冊を完成させるのにどれほどの知恵とエネルギーが必要だったろうと想像せずにはいられません。
ただぼーっと眺めるだけでは、作者のユーモアを見逃してしまいますね。とても頭を使う本だと思いました。
息子は木で組み立てたようなひらがな文字とリアルな絵に引き込まれて、次々とページをめくっています。
確かに1976年作ですから、今の生活シーンでは見かけないもの、昭和の時代の懐かしいものや、親である自分にもわからないものも登場します。
それはそれでいいのではないでしょうか。
せっかく日本人として生まれてきたのですから、子どもたちが知らない過去の時代の物事については、大人たちが教え伝えていけばいい。
大人がわからなければ上の世代に聞いたり、調べればいい。
それも大切なことだと思うのです。
『ABCの本』もぜひ購入したいと思いました。
(chittaiさん 40代・ママ 男の子2歳)
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