「りんちゃん おさんぽ いってきまーす」
現れたのは、くまの顔をした赤い小さなくつ。「とことこ ぴっぴっ とことこ ぴっ」かわいい音を立てながら歩いていきます。
その後も、りんちゃんの持ち物たちがいろんな音を立てます。「かちゃかちゃ こっとん なんのおと?」「ゆーらりぷかぷか なんのおと?」とやさしく問いかけがあり、ページをめくると、それらがはねたり揺れたりする様子が描かれます。
優しいイラストとたくさんのオノマトペ。リズムの良い文章なので、声に出して読むと自然と歌になっていきます。目にも耳にも心地よい作品です。
作者は、絵本作家・絵本コーディネーターであり、長年さまざまな場所で「語り」の活動をされている、こがようこさん。「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」シリーズ(童心社)や「語りかけ絵本」シリーズ(大日本図書)など、読めば自然と語りかけができ、親子のコミュニケーションが楽しめるよう工夫された作品を、多数手掛けていらっしゃいます。
この絵本の主人公は、同じくこがさんの作品『どーこかな?』(瑞雲舎) で赤ちゃんだったりんちゃん。あのくりくりおめめの小さな赤ちゃんが、明るく元気に成長しています。子どもたちは周りのたくさんの音と触れ合いながら、大きくなっていくんですね。絵本を楽しんだ後は、親子でおさんぽをして、ぜひいろんな音を探してみてください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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