まあちゃんのクラスでは、畑に種をまくことになりました。
先生からひとり5こずつみどりいろの種をもらいます。まあちゃんはその種となめていたメロンあめを一緒に埋めてしまいました。
さて、ここは土の中。
ちっとも水をやらないなまけもののまあちゃんの種は、暑くてのどが渇いて「ぶつぶつ」「ぶーぶー」。
でもメロンあめだけは水をもらえなくったって平気です。
なんだか様子が変だと気づいた種たちは、メロンあめに向かって、
「へーんなやつ!」
けれどもメロンあめだって負けてはいません。
「ぼ、ぼくはとびきり うまい メロンあめさ!」
種たちとメロンあめは、にらみ合ってにらみ合って、そしてとうとう……!
土の中でのユーモラスなケンカ。色や形は似ているけれどまったく違う種とあめ。
そこに思わぬ助け合いが生まれて、とびきりの奇跡!?を起こします。
まあちゃんの種はいったいどうなっちゃうんだろう? そんな読者の心配を一気に吹き飛ばすスカっと気持ちの良い展開。たかどのほうこさんが描く世界は、なんてユーモラスで心をホッとさせてくれるのでしょう。
『まあちゃんのながいかみ』「つんつくせんせい」シリーズなどの絵本を楽しんできた親子の皆さん、たかどのほうこさんによる物語は、小学1年生から中高生、さらには大人まで、それぞれの年齢で楽しめる作品がたくさんあります。そんなたかどのほうこさんの物語世界への入り口に、まずこちらから手にとってみませんか。
さらに太田大八さんによる挿絵にもユーモアがいっぱい。種やメロンあめの表情に注目しながら読んでみて下さいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
続きを読む