ある夜のこと、クマくんは空のお月さまを見上げて、お月さまにお誕生日の贈り物をあげたいな……と思います。お月さまに話しかけても返事がないので、クマくんは川を渡り、森を抜け、山に登って叫んでみました。「こんばんは!」すると、「こんばんは!」。「たんじょう日、いつですか?」すると、「たんじょう日、いつですか?」……。お月さまはクマくんが言ったとおりに答えます。
「やまびこ」という自然現象がユーモラスに描かれた、可愛らしいクマくんのお話です。まったく同じ返事が戻ってきても、クマくんはそれがやまびことは知らず楽しく会話を続けます。一見、こっけいな光景に思えるかもしれませんが、静かな月夜にたたずむクマくんの、純粋で一生懸命な姿に魅了される読者も多いことでしょう。お月さまと話すときのクマくんの表情には、平安が満ちています。お月さまへの贈り物は、一体何だったのでしょう。それは、クマくんが欲しかったものでもありました。落ち着いた青が基調のイラストからは、月夜の静けさが伝わってきます。 ――(ブラウンあすか)
クマくんは、お月さまを見ておもった。お月さまの誕生日におくりものをあげたいな。でも、いつだろう? なにをあげたらいいかしら? お月さまにきいてみよう。そこでクマくんは木にのぼり、お月さまにはなしかけた。でも…。 ●第31回課題図書
英語では「HAPPY BIRTHDAY, MOON」。これはお誕生日のお話です。ある夜のこと、クマくんは空のお月様を見上げて、お月様にお誕生日の贈り物をあげたいな…と思います。お月様に話しかけても返事がないので、クマくんは川を渡り、森を抜け、山に登って尋ねました。「こんばんは!」すると「こんばんは!」。「たんじょう日、いつですか?」すると「たんじょう日、いつですか?」…。お月様はクマくんが言ったとおりに答えます…。
これは実は山のエコーで、同じ返事が戻るのですが、クマくんはそんなこととはつゆ知らず、お月様のお誕生日が「明日」であることをつきとめます。(…と言うことは、クマくんのお誕生日が明日なのですが…)。
何も知らずお月様とお話するクマくんの姿がいじらしいです。お誕生プレゼントは何だったと思いますか。クスッと笑えて可愛らしいお話です。英語ではこのクマくんシリーズで何冊か別のお話も出ていますが、このお話が一番! よくできていると思います。イラストもはっきりわかりやすくて好感が持てます。対象は「山のエコー」って何かわかる年齢ですね。 (ムースさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子3歳)
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