朝起きると、私の家の机の下でうさぎがしんでいました。埋めてあげようと外に出ると、うさぎの体が輝いて見えました。まるで「鹿皮色(ルーピースー)みたい」。私はルーピースーの絵を描いて、庭に埋めてあげました。1年後に土にかえったルーピースーで野菜をつくって、みんなでいただこう。そう考えるとわたしは心からルーピースーがうらやましいと思いました。自然のなかにある死と再生を、静かに鮮やかに描いた1冊。2006年小学館より刊行された絵本を、新たな表紙で判型を一回り大きくしした新装版。巻末に書き下ろしの「小さなうさぎの物語」を掲載。
どうして死んだうさぎが机の下にいたのでしょう。
ミステリアスでありながら、この絵本犯人さがしではありません。
うさぎの色からルーピースーと名づけ、その姿を描こうとする創作意欲の根源として、とらえられています。
ていねいに埋葬され、土にかえるルーピースーは、今度は野菜を作る土壌にしようと思われています。
そして、とてもうらやましい存在としても、思われるのです。
死んでも心の中に居続けるルーピースーに、自分にとってのルーピースーを思い描きました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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