タブレットに向かって、「アブラカタブレット!」と呪文を唱えたら!?
タブレットを使って写真を撮る授業の途中、友だちの面白い写真を撮って楽しんでいる、いたずらっ子のこたろう。タブレットをベンチにぶつけてしまった後、タブレットの隅に金色のランプの絵が描かれた不思議なアプリを見つけます。タッチしてみると、「アブラカタブレ〜ット!」と言いながら、むらさき色のヘビみたいなのが飛び出してきました。アプリの案内役であり、タブレットの精だというタブーは、このアプリが「アブラカタブレット」というまほうのアプリであること、アプリを使って写真を加工すると、写真だけでなく、現実世界のものも同じように変えられるといいます。たとえば、白い花の写真を画面で青色に変えると、目の前の白い花の色も青色に変わったり、テントウムシの写真を画面で金色に変えると、目の前のテントウムシが金色になったり……。
これはいたずらっ子のこたろうが夢中にならないはずはありません。次々にいろいろなものやクラスメイトまでいたずら心全開であれこれ変えて遊んでいると、いつの間にか画面の中にあるゲージの色が変わっていて……。
アプリで操作したことが現実にも起きる? なんてワクワクすることなのでしょう。
次はどんなものがどんな風に変わるのかドキドキしながら、でもこんなにいろいろ使ってしまって大丈夫? なんてハラハラする場面も!
物語の中心となるタブレットは、今や小学校の授業や宿題でもよく使われており、今の小学生たちにはきっと身近な存在ですね。手にするだけでなんだかワクワクするアイテムでしょう。もしもタブレットに、「アブラカタブレット」のアプリが入っているのを見つけたら、どんなことをしてみたいですか?
子どもたちが喜びそうな要素がいっぱい詰まった楽しいお話を書かれたのは、如月かずささん。なんといっても「アブラカタブレット!」の呪文が楽しくて、声に出して唱えてみたくなってしまいます。挿絵を描かれたのは、イシヤマアズサさん。こたろうはじめクラスメイトたちの表情が豊かでかわいらしく、アプリの案内役のタブーもとっても魅力的に描かれています。何かたくらんでいるような顔をしていながら、でも憎めない愛嬌いっぱいのタブーに注目してみてくださいね。
現実世界でも、きっと子どもたちの興味を掻き立てているであろうタブレット。使い方や使いすぎに注意しながらも、この物語をきっかけに、どんなことができるかな? なんていろいろ夢を膨らませてみませんか。小学校低学年の子がひとり読みに挑戦するのにもぴったりの幼年童話です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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タブレットを使った授業のとちゅう、ふしぎなアプリをみつけたこたろう。タッチしてみると、画面の中に現れたヘビみたいな生き物が「まほうのアプリ『アブラカタブレット』のあんないやく、タブーでございます」と話しかけてきました。そして、このアプリを使ってとった写真を加工すると、現実世界のものも同じように変えられるというのです。
花の色を変えてクッキーにしたり、木の葉っぱを星形にしたり、池のコイに歌をうたわせたり……。こたろうがアプリで遊んでいると、画面の中にあるゲージの色が変わっていることに気がつきました。タブーに聞くと、これは『おねがいゲージ』というもので、ゲージがいっぱいになると、どんな願いも叶えることができると教えてくれて……。
テンポの良い展開にひきこまれる、ハラハラドキドキ楽しい幼年童話!
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