今日はふうこのお母さんの誕生日。
「おかあさんに かわいい プレゼントを かってあげるんだもん。」
いつものお店にお母さんと買い物にきたふうこ。お店の中にはお母さんの好きそうな素敵な品物がたくさん! ところが、どれもふうこのお小遣いでは足りません。がっかりしたふうこが、お店の隣にある空き地の野原をながめていると、そこに咲いている小さな花を見つけます。
「いい におい」
ふうこが目をつむって、花に顔を近づけると……?
大好きなお母さんに「すてき」なプレゼントをしたい。お母さんが喜ぶ顔が見たい。そう思うだけで体じゅうに嬉しさがあふれ、ワクワクするふうこのなんと愛らしいこと。野原の中に見つけたのは、小さな植物や虫たちが生き生きと動きまわり、きらきらと輝くような形や色にあふれた、ふうこにとっての「すてき」がつまっている場所。
「おかあさん おたんじょうび おめでとう!」
気持ちを共有できる贈り物。その喜びは、ふたりの笑顔を見ているだけで伝わってきますよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ふうこはお母さんにすてきな誕生日プレゼントをしようとしますが、自分のお小遣いでは買えないものばかり。がっかりして空き地の野原をながめていると…。大好きなひとへの贈り物は、自然の織りなす豊潤なすがたとなりました。
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