「あなたと はじめて であったときが」
「ものがたりの はじまりだった」
登場するのは、猫の親子。
「あなた」が笑顔の時も、何かに頑張っている時も、もやもやしている時も、感動している時も……。
いつも温かく見守っている「わたし」。
どんな時も「ぜーんぶ だいすき」。
この広い宇宙の中で、この果てしない時間の中で出会えた奇跡。
「あなた」と出会えて一緒に過ごす時間は「たいせつなたからもの」。
言葉を紡ぐのは、絵本作家のきむらゆういちさん。温かな眼差しが感じられる言葉に、イラストレーターのtonoさんが、優しさで包み込んでくれるような幻想的な世界を表現されました。猫の親子がそれぞれでいる時にもふたりでいる時にも四季の花で彩られているところに、過ごす時間への感謝の思いがあふれているように感じます。
特に私自身がぐっときた場面は、「わたしがわたしらしくいられる」ことのその理由を教えてくれるページ。読む人それぞれに大切な「あなた」のことを思い浮かべながら、懐かしさだったり、切なさだったり、愛しさだったり、自分の中に湧きあがってくる感情にそっと身をゆだねて、お気に入りのページを探してみませんか。
自分用の大切な宝物として持っている本にも、大切な「あなた」へ思いを込めて贈る本としても、おすすめの一冊です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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