時は1989年。昭和から平成に元号が移り変わったその冬の日、しがないサラリーマンの佐久間隼人に一本の電話がかかってきた。そこで伝えられたのは、金城一也なる大富豪の死と、隼がその孫にあたり、莫大な遺産の相続権を有するという衝撃の事実で──!?
遺言状の開封に立ち会うべく、金城家の一族が集う軽井沢の豪邸を訪れた隼人は、一也の姪である薫という女性に、どこかで会ったような既視感を覚える。実は薫の正体は、隼人の高校の同級生であり、依頼を受け替え玉として女装した探偵・村井太一だった。
そして開封された遺言状の内容が「姪である薫が一族の中から選んだ結婚相手に、遺産の全額を譲る」というものだったため、一族の男たちは薫を巡って騒乱状態に陥る。
そんな最中、薫(村井)が用意したワインを飲んだ孫の一人が服毒死しているのが見つかる。遺体のそばには「ちはやふる」と書かれた紙が落ちており、薫(村井)と隼人は不可解な殺人事件の調査に乗り出すが、犠牲者は次々と増えていき……?
昭和の気配が色濃く残る軽井沢で起こる、和歌に見立てた連続殺人。美女(女装)探偵×モーレツ商社マンが謎を追うバディミステリ!
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