7,000年も昔のアメリカ大陸、草食恐竜のトリケラトプス・ビッグホーンとその子ども達が繰り広げる冒険物語。黒川みつひろさんが描く子ども達に大人気の「たたかう恐竜たち」シリーズ2作目です。
今回の行く手には一体、どんな敵が待ち受けているのでしょうか?
長い旅の果て、食べ物と水が豊富な新天地にたどり着いて2年半がたったある日、海を訪れたトリケラトプスたち。おびただしい数の翼竜プテラノドンと出会います。タマゴを温めたりヒナにえさをあげたりと大忙しの様子、この岬は彼らの繁殖地なのでした。
そんな時・・・事件が!
恐竜オビラプトルが、親が離れた隙に巣からタマゴを盗んで洞窟の中に逃げ込んでしまったのです。
プテラノドンは大激怒。犯人はトリケラトプスたちだと勘違いしてしまったからさぁ大変です。群れをなし、けたたましい声をあげ、上空から襲いかかります。
「われわれがたまごをとったのではない!」ビッグホーンの必死の叫びにも全く聞く耳を持たないプテラノドン。このままではやられてしまう!トリケラトプスたちは一斉に海に飛び込み必死に逃げるのですが・・・なんと待ち受けていたのは、獰猛な海トカゲ・モササウルスの群れ。
どうなっちゃうの、トリケラトプス!?
今回の敵は、大空を飛ぶ翼竜プテラノドン。
そもそも勘違いがきっかけとなり始まったこの闘い、なんとかトリケラトプスたちの疑いを晴らしてあげたいと、お話を読みながらもどかしさも湧いてきちゃいます。でもきっと本当の恐竜の世界では、こうした小さなできごとがきっかけで激しい争いが起きていたんでしょうね。
太古の恐竜たちに思いをはせながら、海から空から襲ってくる敵に勇敢に立ち向かうトリケラトプスたちを、手に汗握りながら応援してしまいます。
そしてこの大ピンチの救世主となるのは・・・!
おなじみのハラハラドキドキ迫力の展開、そして最後には胸が温かくなる優しいシーンも待っている今巻。親が子を思う気持ちは人間も恐竜も同じ。そう思うと、ますますビッグホーン親子や恐竜たちを身近に感じられる一冊です。
巻末の解説「プテラノドンのいた時代」では、白亜紀の空を制していた翼竜たちのヒミツにも迫っていますよ。陸、海、空の恐竜たちの世界を、思いっきり楽しんでくださいね。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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