ポケット詩集を一冊編み終えたとき、入りきれない名詩の山に溜息がでました。
でも、この渾身の一冊という思いから、潔く筆を擱いたのでした。
発刊後、万を数える読者の方から、あの詩も読みたい、この詩も入れてほしかった、
ぜひ2をというお便りが山積し、初めの潔さはどこへやら、それなら、2を編もう、と決心した次第。
編集の志は「ポケット詩集」と同じく「精神の高さ」です。以前は編者の目の曇りから、その詩の本質に迫れず、
見落としていた詩があり、年月を経て、新に見えてきた詩もあり、詩人の顔ぶれも、村野四郎、八木重吉、
立原道造、高見順、大木実、三好達治、黒田三郎、山村暮鳥、千家元麿、中野重治氏らの詩が新たに加わりました。
いい詩には、人の心を解き放ってくれる力があり、また生きとし生けるものへの、
いとおしみの感情をやさしく誘い出してもくれる− という茨木さんの言葉どうり、
「いい詩を読んで、日本中の人たちがいまいちど本来のやさしい気持ちに立ち返って、
この世界のみんなと一つに和することができたら、どんなに幸せなことでしょう。」-
と、まえがきを結びました。
ポケット詩集2は、ポケット詩集が出た3年後、2001年10月に初版を出しました。
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