故郷を離れ江戸の職人に弟子入りした長吉は…。動乱の幕末を背景に、貧しくも誇り高く生きる商人の姿を、少年の成長とともに描く。
ちょうちん屋に育った長吉は、実の母を失い継母のつらい仕打ちに耐えかねて首つり自殺未遂。
弱虫、臆病、内気でゆうずう効かずと、内向的な少年でした。
幼なじみの女の子ツヨを頼ってたどり着いた家で、すべてを察したツヨの母親の計らいで、単身江戸の庭職人の弟子として家を離れます。
武士社会から明治維新へと移り変わる時代の中で、出会いに恵まれ成長していく長吉の物語。
そして自らは年老いて、次世代の子どもたちへと自分の歩んだ道を伝える長吉。
児童文学でありながら、歴史とロマンがたっぷりの物語に出会いました。
童話絵本を手掛ける斎藤隆介さんにして、素晴らしい長編物語。
挿絵の滝平二郎さんの絵が、物語にピッタリです。
いつもは、この手の本は手に取ることがないかもしれないけれど、夏休みに最適な本だと思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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