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嵐の夜。父の帰りを待つ兄妹の前に現れた船乗りが語った奇妙な物語とは? 怖いけれど読むほどに魅力にはまる極上の連作短編集。
前作「モンタギューおじさんの怖い話」に続く短編ホラーです。
語り手は嵐の夜、雨宿り(?)にやってきた船乗りのヨナ・サッカレー。聞き手は断崖絶壁に居を構える船宿の子どもたち「イーサン(兄)とキャシー(妹)」。
怖い話が大好きなキャシーにせがまれる形で、サッカレーは子どもたちに船で聞いた怖くも不思議な話を語っていくのですが、
導入から「何かある」と思わせる船宿の雰囲気、
いわくありげな過去を持つ語り手のサッカレーのミステリアスな人物像など、ホラーやミステリが好きな子どもたちにはたまらない魅力たっぷりです。
プロローグの「嵐」、エピローグの「トリカブト」以外に9つの話が載っています。
うち「イレズミ」という話は船が東の端の国「日本」へ来た時の怖い話です。
どれも船乗りならではのホラーで、1つ1つは短い話なので、とても読みやすいです。
中でも一番ぞっとして鳥肌が立ったのは、最終話「トリカブト」でした。
「そうか、こうきたかー!」という感じで、作者の思惑にまんまと丸め込まれどっぷり物語世界を楽しめました。
内容的には小学校の高学年くらいから十分楽しめます。
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子21歳、女の子17歳)
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