ぼくの名前はまっくろネリノ。
夜の暗闇に溶け込んでしまうほど、まっくろくろ。
家族はとうさんとかあさん、そして兄さんが4人。
赤や黄色、みんな鮮やかな色のからだをしているんだ。
ぼくがあんまりまっくろだからって、ちっとも遊んでくれないんだ。
時々悲しくなって、ひとり木のてっぺんで考えてるんだ。
「どうしたら、みんなみたいな色になれるのかな」
そんなある日、兄さんたちが行方不明に!
金のとりかごに捕まえられてしまったんだ。
だけど、ぼくなら助け出してあげられるかもしれない……。
真っ暗な背景に浮かびあがる鳥たち家族が、パステルで可愛らしく描かれているこの絵本。目玉のキョロキョロしか見えないネリノだって、とってもチャーミング。だけど本人は、それを受け入れることができません。結局ネリノは、自分の特徴を生かして大活躍をすることで自信につなげていきます。すごいよね、ネリノ。それも一つの方法です。
みんなと違うことを「個性」として受け入れる。これって、なかなか難しい。悲しい気持ちが全くなくなる事だって、ないのかもしれません。ネリノみたいに上手くいかないかもしれません。でもだからこそ、こんな小さなネリノの小さな出来事にも、みんなが触れていくのは大切なことなのかもしれませんよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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