ある穏やかな一日のお話です。犬のホンドは海岸へ行き、友達のフレッドと遊びます。猫のファビアンはおうちに残って、赤ちゃんと一緒に気ままに過ごします。それぞれがお気に入りの場所で、お気に入りの遊びをして……。素敵な一日は、どんな風に終わるのでしょう。
やわらかな鉛筆・水彩画が、ある幸福な一日の風景を静かに描いた絵本。透明感のある美しい絵は米国で高い評価を受け、数々の賞を受賞しました。(2003年コルデコット賞オナー作品) 海岸でしぶきを上げる犬のホンド、おうちで赤ちゃんと過ごす猫のファビアン――躍動と静寂がシンプルな言葉とノスタルジックな色彩に表現され、読者をふっと安らぎの世界に誘います。犬、猫、赤ちゃんのしぐさが、優しく繊細。ゆっくりと流れる時間の中で、ほんのり着色されたイラストの場面場面が「幸福とは何か」を教えてくれるかのようです。ホッとひといき、一日を振り返りたいときに開きたい一冊ですね。 ――(ブラウンあすか)
犬のホンドと猫のファビアン、おうちのあかちゃんの幸福な一日。今日は、誰がどんな素敵なことに出会うのでしょう? 穏やかな優しさに癒される、江國香織訳の美しい絵本。
犬のホンドと猫のファビアンの一日を描いた絵本。柔らかな鉛筆画には透明感があふれ、一条の風が吹きぬけるような美しさの漂う絵本です。表紙の第一印象は「黒井健さんのイラストのような画風」でした。この画風、米国では2003年コルデコット賞受賞など高く評価されましたが、日本にはこういう抑えた感のある絵、わりとたくさん見られるのではと思います。登場する小さな女の子が何となく東洋の女の子に見えると思っていたら、作者の奥様はアジア系の方ですね。そんなこともあってでしょうか、イラストにも東洋的な影響が見られます。控えめな色彩と空間構成が、米国で異彩を放ったのかもしれません。
表紙の構成デザインは、原書の方がアートっぽくて好きです。この小さな女の子、見た感じはtoddler。こちらではこのくらいの幼児を赤ちゃんと呼ぶ人もいるけれど、日本語では小さな女の子の方がいいかな。最終ページの寝顔が赤ちゃんではないし。娘が自分と結び付けようとしていたので、個人的に勝手な感想を持ってしまいました。
動物と一緒に暮らしている方、犬好き、猫好きな方におすすめです。 (ムースさん 40代・ママ 男の子9歳、女の子4歳)
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