花をさかせる術が得意な魔法使いの少女プン。ところが、プンのとうさんは風をおこす術が得意なのです。
子供の頃の絵本で真っ先に思い浮かぶのが、この絵本でした。そしてそのストーリーよりも真っ先にうかんでくるのは、魔女の帽子を目深に被った、子供の絵本のキャラクターとしては一風変わった60歳の魔女「プン」。(60歳という年齢は魔法の世界ではまだまだ子供なのです)そしてそのプンの咲かせる花畑の風景です。決して子供好みの可愛らしいものではなく、色彩的にも暗めなのですが、その絵のかもし出す不思議な雰囲気がストーリをより魅力的なものにしていたんだと感じます。題名すら「花の子プン」と勘違いしていたほど、プンのキャラクターと花畑の風景が子供心に強く刻まれていた証でした。
大人にとって今生きている世界が現実ならば、子供時代はその他の異次元の世界もまた現実なのです。特に私は自分の中に作り出すいくつものイメージが、決して子供らしい可愛らしいものに限定されていなかったように思います。そんな私がこの本をお気に入りだったのも、今となっては納得できます。また子供時代の感受性の強い時期に、多様な絵本を触れることは、想像力やイメージ力、また自分の内面世界の形成に大きく影響するんだと改めて感じました。 (うっきーさん 20代・その他の方 )
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