愛するものを幽界に残し、自分だけが現世にもどってくる、炭焼小屋の兄弟を描いた異色作が、赤羽末吉により絵物語化されました。
赤羽末吉さんの最後の作品ということもあいまって、とてもドラマチックな作品です。
宮沢賢治の作品としても、いままで知らなかった壮絶なドラマです。
吹雪の中で遭難してしまった一郎は、弟の楢夫をかばいつつ、懸命に生きようとします。
そこに、鬼と天人形たちの幻想が現れます。生と死のはざまの夢だったのでしょうか。
結末は、宮沢賢治に求めた優しさではなく、厳しい現実だったことが衝撃的でした。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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