
戦時下の子どもの遊びや習慣などについて、当時少年時代を過ごされた松本零士氏、神奈川県大和市の大和竹トンボ製作研究会のみなさんにお話をうかがい、絵本として紹介しています。当時の遊びやおもちゃ、文化などについても学ぶことができます。

戦争体験者の話を絵本にしたシリーズの第2巻。
戦時中の遊びの紹介と2つのお話からなっています。
竹トンボお手玉など、まだ懐かしさを留めながら残されている遊びと、今の子どもには全く縁のない遊びが紹介されていました。
お話は次の2点です。
「あきらのとぶ空」 金治直美:文、篠塚三朗:絵
「宇宙戦艦ヤマト」の作者松本零士さんの話をベースにしています。戦闘機乗りにあこがれたきかんぼうのあつおでしたが、疎開先でも戦闘機の空襲を体験します。遊び友達の父親の戦死があって、終戦。
占領軍のアメリカ兵への屈辱感を感じるあつおに、無事に帰還した父親は悪いのは戦争だと諭します。
戦後にあふれる様々なものを吸収しながら、戦闘機乗りへのあこがれは宇宙への関心に高まります。
それが松本零士さんのマンガに生かされているのだと思うと興味深いお話でしたが、松本さんの少年時代に体験した戦争を知り、感無量。
子どもには説教口調になってしまいそうです。
「まうわうりの夏」 佐々木有子:文、夏目尚吾:絵
大和竹トンボ制作研究会メンバーの話がベースになっています。
戦争時代の苦労話や怖さの中で、のびのびとした少年の姿もあったのだという内容が、戦争を知らない世代、固定観念で捉えがちな自分には新鮮でした。
それでも戦争が終わり竹トンボを飛ばした空には敵機もなく、平和の素晴らしさが伝わってくるお話でした。
戦争体験者によって語り残されるものの重要さを感じさせられたシリーズの1冊でした。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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