新潟県小千谷市の東山小学校に、2002年、めずらしい新入生がやってきました。それは、体重が300キログラムもあるオス牛の牛太郎です。地域の伝統文化である「小千谷闘牛」を学ぶため、小学校で闘牛を飼うことになったのです。牛太郎と子どもたちは、小千谷闘牛に出場を重ね、絆を深めていきました。ところが2004年10月23日、震度6強の中越地震が小千谷を襲います――。半年におよぶつらい避難生活の中、小千谷の人々と子どもたちは、闘牛を復活させようと奮闘します。また、その思いが人々の心の絆となり、復興をとげることができたのです。牛太郎と子どもたちの9年間を追う、感動のノンフィクションです。
<ここがポイント>
・牛太郎と子どもたちを応援したくなる!
・闘牛のしきたりなど、初めて知ることがいっぱい
・地震から立ちあがる姿に勇気を得られる
<編集者から>
著者の堀米薫さんは、自身も宮城県で牛の肥育農家を営んでいます。この本の原稿を書き上げたあと、3月11日に発生した東日本大震災で被災しました。小千谷の人たちが中越地震に遭い、困難な避難生活の中でも牛の命を守りつづけた思いを、なぞるように体験したそうです。小千谷の人たちは、伝統文化である闘牛を復活させたいという強い思いで、助け合い、励まし合って復興をとげました。その姿を本書を通して伝えることが、東日本大震災の被災地たちへのエールになるように、心から願っています。
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