あるところに、あるくのがきらいな王さまがいました。あるくのは、お風呂に入るときか、お手洗いに行くときくらい。お城の外には、いつも馬車で出かけます。
ある日、王さまが、隣の国のおひめさまに会いに行こうとすると、馬車が使えなくなってしまいました。しかたなく、王さまは大臣たちが担ぐはしごに乗って、待ち合わせ場所に向かいました。
ところが、数時間待っても、おひめさまは現れません。そこへ隣の国の大臣が大慌てで走ってきて、おひめさまが蜂に襲われたというのです。おひめさまはあるくのが好きで、どこへ行くにも馬車を使いません。今日も歩いて待ち合わせ場所に向かい、途中で王さまのために花を摘んで花束を作っていたというのです。
それを聞いた、あるくのがきらいな王さまは……!?
“あるくのがきらいな王さま”と“あるくのが好きなおひめさま”の対照的な人物設定がおもしろい幼年童話。
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