子どもたちって本当におすしが好きですよね。
すしおくんもやっぱりおすしが大好き。おすしやさんになりたくて、修行の旅に出ちゃったほどなのです。
最初にやってきたのは町で一番と評判のおすしやさん。手つきのいい親方がおすしをつくってだすと、お客さんたちは大喜び!出されたおすしは・・・
「めばる が いばる」「まだい まだいた」
あれ、だじゃれ?
そう、ここはどうやら「だじゃれずし」。そんなことってある?
でも、すしおくんは言うのです。
「すごいなあ。ぜひここで修行させてください」
さっそく腕を試されるすしおくん。いけすの魚を使ってつくったおすしは「かつおが かつ、おー」「まがれい 右」などなど。うーん、なかなかやるね!
修行をつんだすしおくんがのれんをわけてもらい、また違う町のおすしやさんを訪れると、そこでにぎっていたのは、なんと「あいうえおずし」。はじめの文字をつなげると、さかなの名前になっている!?上昇志向の強いすしおくんは、ここでも修行をつんでマスターします。すると、上には上がいるもので。「かいぶんずし」「ならべかえずし」「しりとりずし」・・・なんとまあ、さまざまなおすしやさんと親方がいるものです。
次々に修行をつんだすしおくんはとうとう・・・!?
どんな「おすし」が登場するのかと思いきや、次々に飛び出すのは見事な「言葉遊び」の数々。しかも、かなりの質と量が揃っていることにも驚きです。
それもそのはず、作者は言葉遊びならおまかせの林木林さん。縦横無尽におすしと言葉をあやつります。素朴なすしおくんが修行でたくましく育っていく様子をユーモアたっぷりに描いているのは田中六大さん。この組み合わせ、期待できるでしょう?
さっそく家族全員巻き込んで、修行の旅にいってらっしゃい!!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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