少年ニコライは悩んでいました。「ぼくは、いい人間になりたいんだ。でも、そのためにどうしたらいいのか、ちっともわからない。なぞが3つある。このなぞがすべてとけたら、きっとわかる。」その3つのなぞとは、「いつがいちばんだいじなときなんだろう?」「だれがいちばんだいじな人なんだろう?」「なにをすることがいちばんだいじなんだろう?」・・・。ニコライの仲間のサギとサルとイヌはそれぞれ自分の考えを述べますが、ニコライはその答えに満足せず、カメのおじいさんのレオに答えを聞きに山に行きます。レオが庭の畑を耕すのをニコライが手伝った後、真っ黒な雲から激しい雨と風がどっと吹き付けてきて・・・「たすけて!」という声をニコライは聞きます。そして・・・。レオはニコライが経験した出来事を通じて、ニコライに気づきを与えます。3つのなぞの答えとは・・・? ロシアの文豪・思想家のレフ・トルストイの『三つの疑問』に形を借りて、子どもたちのために書かれた物語です。この絵本でニコライとともに3つのなぞを考えることで、「わたしたちは、どう生きるべきか」という永遠の問いに、ひとつの解釈を見いだせるのではないでしょうか。大人も深く考えさせられる、人生の教えの絵本です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
人はいかに生きるべきか。ニコライは物知りのカメを訪ねるが、そこで出合う出来事により、 自ずと答えが導きだされるのだった。 トルストイの民話『3つの疑問』を子どもに優しく説いた、ミュースの会心作。
人生について哲学する物語です。
モチーフは、ロシアの文豪トルストイの「3つの疑問」です。
主人公ニコライ少年は人生の謎を考えあぐねていたのです。
いつが一番大事な時?
誰が一番大事な人?
何をすることが一番大事?
古老のカメに聞きに行きますが、カメは返事してくれず、
仕方なくそばにいる時、ハプニングが起こるのです。
パンダの親子を無我夢中で助けたニコライは、
その行為の中に、答えがあったことをカメから教えられるのです。
とても哲学的な内容ですが、お話に溶け込んでいるだけに、
スッと感じ取れるような気がします。
ミュースの絵は独特の空気感があって素敵です。
赤の凧が不思議な存在感があります。
感覚を研ぎ澄ませて、感じ取ってほしいです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子19歳、男の子16歳)
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