アパルトヘイトが続いた南アフリカ共和国。人種差別や偏見に立ち向かい、オリンピックのマラソンで、同国の黒人選手として、初めて金メダルを獲得したマラソンランナーの物語。
南アフリカ共和国だけの問題ではなく、人類全体の問題として、いまだ克服できない人種差別。
その中で生きなければならないというのはどういうことか。
憎しみを乗り越えるには、人としての誇りを持ち続けるには、人種差別や偏見をなくすには、どうすればよいのか…。
主人公サムが選んだ道は、武力による闘争ではなく、走り続けることだった。
当時の南アフリカ共和国では、黒人であるというだけでオリンピックへの出場の道は断たれていたが、
サムは、あきらめることなく、ひたすら練習に打ち込み、黒人のために、家族のために、走り続ける。
人権、平和、そしてスポーツの力を訴えつづけた作者リオーダンの最後の作品となった物語は、
オリンピックの見方を変えてくれる感動の一冊。
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