ある日、ちょっぴりヒマだったアーサーが見つけたのは、
お父さんのクローゼットのおくにかくれている、赤いリボンのついた箱。
「あの箱の中味はなんだろう?」
アーサーには何となくわかります。
なぜならあと二週間でアーサーの誕生日がやってくるし、
お母さんはいつもプレゼントに赤いリボンをつけてくれるのですから。
さぁ、たっぷり時間があるアーサーの想像の時間が始まります。
ケーキ?おもちゃ?ひょっとしてふねかもしれないな。もしヨットだったら、公園へ持っていって…。
いやいや、それともボーリングのセット?チョコがずっしりつまっていたら、それはそれでオーケー。
もしかしたら、いつかねだったスケートぐつ?
それともそれとも…。
アーサーのワクワクと想像は止まりません。
果たしてその箱の中には何が入っているのでしょう。
読んでいる方も我慢できなくなってきたその時、玄関のベルが「ピンポン」と鳴り…。
あっと驚く結末が待っています。
いや、驚いたのは私だけかもしれません。
アーサーの行動を理解するのに少し時間がかかってしまったのですが、
冒頭のコメントを読んで納得。
“たべたリンゴよりも、あたえたリンゴのほうが、あとあじがいい。”
(ふるくからのいいつたえ)
子ども達の方がわかっているのかな?
作者はイラストレーター、デザイナーとしてニューヨークやロンドンで活躍したボブ・ギル。
軽快でおしゃれなイラストと、ついつい引き込まれるアーサーのつぶやき。
アーサー・ビナードさんの訳がついて、子どもから大人まで誰でも共感できる
プレゼントにぴったりな絵本となっています!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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