ある朝のこと。
一匹の黒い犬がやってきて家の前に腰を下ろします。
するとホープさん一家は大慌て!
「トラくらいもある黒い犬が…」ホープさんが警察に電話したかと思うと、
今度は「ゾウくらいもある黒い犬が、外に!」とホープ夫人がマグを落っことす。
更に黒い犬はどんどん大きくなって子どもたちも大騒ぎ。
ついに化け物みたいな姿に…!!
「どうしてそんなに怖がるの?」
あれ、皆さんはあの「ブラック・ドッグ伝説」を聞いたことがないのでしょうか。
一目見ただけでありとあらゆる悪運にとりつかれる、という。
「家の前にいるのが、そんな怖い伝説のある黒い犬だったらどうしよう」って思うじゃないですか。
でもホープ家の末っ子チャイだけは慌てません。
「ブラック・ドッグ」の正体を確かめるために、一人で外へ飛び出すのです。
あんなに小さな体なのに、何て頼りがいのある子なんでしょう。
震える家族と読者に身をもって何かを教えてくれているかのようです。
本当に不思議な物語。
でも、こういう事ってよくあるかもしれないな。そんなお話です。
独特の雰囲気とユーモアセンスを併せ持った絵にも、じわじわと惹き込まれてしまいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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