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人間の世界へあこがれる人魚は、陸に子どもをうみおとした。ろうそく屋の老夫婦は、人魚をひろい大切に育てるが…。小川未明の名作を人気イラストレーター安西水丸が描く。
『赤いろうそくと人魚』は、私の好きな小川未明の作品です。
童話として小学校時代に読んだ記憶がありますが、「1年生からよめる名作絵でどうわ」としては、あまり適していないように思います。
このお話は暗くて悲しい物語だから、安西水丸さんの絵では軽すぎる気もします。
ひらがなが多用され、解説も細かいのですが、かえってこの物語の味わいをそいでいると思います。
神さまからの授かり物だと思い、人魚の娘をわが子のように育てた老夫婦が、鬼のも思える心変りをするところがこの物語の重要なポイントです。
人魚がどのような思いで家を後にしたか、考えると切ないさに身をつまされるのですが、この心理描写を理解できるのは、ある程度精神的に成長した子どもではないかと思います。
それでも、この物語は多くの児童に読んで欲しいお話です。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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