うさぎさん、いいこいいこ。うさぎさん、ふわふわ。
うさぎさん、うとうと…。
ゆうくんが、ふわふわのうさぎさんに触れて、ゆうくんのひざの上で気持ちよさそうにうとうとしているだけで、なぜかあっという間に「ほんわり」した気持ちになってしまうこの絵本。不思議です。
それは、ゆうくんもお母さんの体に触れながら、うとうと、ねんねする気持ちよさを知っているからかもしれません。うさぎさんに少しずつ近づいて、うさぎさんが気持ちよさそうにしていたら、ひざの上に乗せて。うさぎさんがうとうとしてきたら、ゆうくんもうとうとして。
おしまいには、体に乗っけて「うさぎさん ぷーぷー ねんね」、「ゆうくん すーすー ねんね」ふたりで一緒に夢の中。
なんて可愛いやり取りなのでしょう。
「ぷーぷー すーすー すーやすや」
読んでもらっている子どもたちも、うさぎさんの気持ちよさや、あるいは自分のお母さんのお腹の上の感触を思い出しながら、安心して一緒にうとうとしてくるのかもしれません。
うさぎさんもゆうくんも幸せ。ふたりの寝顔を見ている子どもたちも幸せ。
毎日のおやすみ絵本にはぴったりの1冊です。
ちなみにうさぎさんの可愛い寝息「ぷー ぷー」というのは、作者の山本祐司さんご自身がそう聞こえたということで言葉にしたのだそうですよ。なんだか新しい表現だけど、気に入っちゃいました。
うさぎさん、ぷーぷー。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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