色んなものを集めるのが大好きな男の子、ビリー。
赤い台車にロープや鳥かごをつんで、
「きょう、ぼく、どうぶつを あつめにいくんだ」と意気揚々、家を出ます。
ミリガンさんちの花壇でトラに、消防署の角の壁でゾウに、
公園でキリンに出会って、首尾も上々、大満足で家に帰ったビリー。
動物たちもビリーの家の居心地の良さにまんざらでもない様子です。
でも、お父さんとお母さんはビックリ仰天!(当然ですよね)
「おきゃくさまが こわがるんじゃないかしら」
「ぞうは、たくさん たべるんだろう?」と心配事を口にしますが…。
子どもの想像力が現実になる、オーソドックスなストーリーの中にも、
マリーゴールドの花の中や公園の高い木に隠れている動物たちを見つける場面では、
日常のヒミツを垣間見たような、ドキドキ感が味わえます。
なかでも素敵なのは、動物たちを見たときのお父さんとお母さんの反応!
とんでもないものを集めてきたビリーをしかるのではなく、
非常におおらかに状況を受け入れてしまうのです。
原作者、ブランチ・ボウシンスキーの生きた、
古き良きアメリカ郊外の雰囲気を感じられるオシャレな一冊です。
(木村春子 絵本ナビライター)
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