はじまりは真っ暗な世界。とても不安です。
ひとりぼっちのロロがどこかへ行きたくて歩いています。
ひとりぼっちのレレも誰かに会いたくて歩いています。
ふたりはぶつかって、しりもちをつきました。
「だいじょうぶ?」「ありがとう!」
ふたりが手をつなぐと、ぽわん!と星の花が咲いたのです。
どうやらこの光る星の花は、ふたりが手をつなぐと頭の上に咲くようなのです。
ロロとレレが歩いていく先々では、悲しんでいたり、ため息をついていたり、イライラしていたりするみんなと出会っていきます。ロロとレレは、その度に優しく手をつなぎ、少しずつぽわん、ぽわんと星の花を増やしていき、みんなの心をそれぞれとかしていきます。
手と手をつなぐことが、例えそれがほんの小さな花だとしても、世の中を明るくしていくことにつながる。
なんて素敵な設定なのでしょう。
もちろん、全てがそんなに簡単にうまく事が運ぶわけではありません。でも「誰かと誰かの思いがつながってほしい」、その願いは誰もが心の中に持っているはず。その思いが少しずつでも世界を照らしていけば、いつか…。
この絵本のテーマは「手と手を結ぶと素敵なことが起こる」です。
絵本作家降矢奈々さんが発起人となった、「3・11後、世界から私たちの未来を考える」というテーマで企画された原画展「手から手へ」展の開催に合わせて、賛同メンバーである降矢奈々さん、野坂悦子さん、トム・スコーンオーへさん、三人のコラボレーション絵本として完成した作品なのだそう。
手と手を結ぶと何かが起きる…あとは、私たちが、子どもたちが、どんな物語をつくっていけるのでしょう。
みんなの背中をそっと押してくれるような絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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絵本作家降矢奈々さんが発起人となって、「3・11後、世界から私たちの未来を考える」というテーマで原画展「手から手へ」展を企画。2012年、イタリアのボローニャを皮切りに、世界4都市を巡回、今春から日本で開催されます。これに合わせて、「手から手へ」展の賛同メンバーである降矢奈々、野坂悦子、トム・スコーンオーへ、三人のコラボレーション絵本を企画しました。絵本のテーマは、「手と手を結ぶと素敵なことが起こる」です。
真っ暗な世界を歩いていたロロとレレが出合い、手を取り合うことでぽわん!と星の花が咲きました。どんどこすすんでいくと、いろんなものに出会います。みんなイライラしたり悲しんでいたりしますが、ロロとレレと手をつなぐと、またまた、ぽわん!と星の花が咲きます。いろいろな出来事のあと、最後には、みんなの頭の上には、ぽわん、ぽわん!と星の花が咲き、世界は、どんどん明るくにぎやかになっていきます。もっともっと星の花が咲いたらいいな、願いを込めた一冊です。
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