ぼくの手、わたしの手。
職人さんの手、お母さんの手、あかちゃんの手、ゴリラの手。
この絵本にはたくさんの「手の写真」が登場します。
あやとりや積み木で「あそぶ手」。
お箸を持ったり、ボタンを付けたり、絵を描くのに「つかう手」。
他にも「つくる手」、「話す手」、「かなでる手」。
更には「つたえる手」、「いのる手」、「つつむ手」…。
そのひとつひとつの手は、驚くほどさまざまな表情を見せてくれます。
何かをうみだし、表現し、人とつながっている手。
美しく、力強く、あたたかな手。
手というのは、本当に色々なことができて、色々な表現ができるものだということが、伝わってきます。
子どもたちがからだの不思議やおもしろさに触れ、自分のからだへの興味や、自分を大切にする気持ちを芽生えさせてもらいたいという願いから生まれた「すごいぞ!ぼくらのからだ」シリーズの2作目でもあり、実は、作者の中川ひろたかさんが30年以上も前からあたためてきたテーマでもあるこの作品。
手の「本質」をとらえてもらいたい。
つないだ手から伝わって行く「なにか」を発見してもらいたい。
そうして行きついたのが写真による表現だったのだそう。
この絵本を見て、自分の中に生まれる感情、感触、そして好奇心。
そういったものと向き合って、大切に育てていってもらえたら。
何度でも読み返してもらいたい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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