「これ、ひみつだよ……」ではじまるないしょ話、いったいどんなひみつの話が聞けるんだろうって、ドキドキしませんか?
幼稚園のお部屋のかたすみで、あすかちゃんがさわちゃんに、こっそりないしょ話をしました。砂場でも、たける君がしんいち君に、小さな声でないしょ話をしました。
「あのな、これは ひみつやで!」
ないしょ話は、あっという間にお友だちのあいだをかけめぐります。やがて、みんながびっくりぎょうてんする事実が判明し、幼稚園じゅうが大さわぎに!!
幸せなないしょ話が、意外なドタバタを呼び込み、それがさらに大きなドタバタを引き起こしていく……。次はどうなっちゃうの? と、その展開から目が離せません。
それにしても、ないしょ話をお友だちにするときの子どもたちの楽しそうなこと! 伝言ゲームのようにみんなに伝わっていくないしょ話を追いかけたり、誰から誰に伝わったんだっけ? と、ページを戻って確認してみたりしながら、正しく伝わっていたはずなのに、どうしてこんなことになったのかな? と思いをめぐらすのも本書の楽しみのひとつ。
今にも本を飛び出してきそうなくらい、ページをところせましと駆けまわる子どもたちの姿と、細部まで描きこまれた幼稚園の日常風景も魅力的。笑いと元気にあふれる、パワフルな一冊です。
(光森優子 編集者・ライター)
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