まえがきに「若き紳士淑女のための礼儀作法の本」と説明があるように、本書は「もし、こんな状況になったら、このように行動したらよいですよ」と教えてくれる、知恵とユーモアたっぷりの子ども向けのマナー本です。
どんな例が出てくるのか、さっそく見てみましょう。たとえば……。
北極の氷の家で食事中にホッキョクグマが入ってきたら?
宝箱を掘りだしているときに、お昼ご飯の合図があったら?
森の中で読書中に、牢屋に連れていくぞと言われたら?
口いっぱいにプディングをほおばっているとき、王子さまからプロポーズされたら?
さあ、あなたなら、そんなときどうする?
思わず笑ってしまうくらい、奇想天外なシチュエーションが登場します。ページをめくると大真面目に対処法が書いてあるのですが、これがなんともユニークで、意外性があるものばかり。
とんでもないシチュエーションなのに、あくまで優雅に、礼儀正しく切り抜けるための対処法。そのギャップがたまらないのです。こうすればいいんだ! とひらめきをもらったり、なるほどねと納得したり、新鮮な驚きが待ち受けています。
どうやってこの大ピンチを切り抜けるんだろう? とページをめくる前に想像してみたり、自分ならどうする? と考えてみたりするのも、ワクワクします。そしてさらに、読んでいるうちに、この本に負けないくらいの「ありえないくらい大変」な状況を考えたくなってしまうこと間違いなしです。
毎日の暮らしにきっと役にたちますよ、というまえがきの言葉は正しい! ユーモアと礼儀正しさって、毎日を心地よく過ごすためには欠かせないものだなと、改めて思います。
本書が気に入った方には、姉妹編「そんなとき なんていう?」もオススメです。
(光森優子 編集者・ライター)
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