夜になりました。
「もう ねるじかんですよ、トンコちゃん」
だけど、トンコちゃんはちっとも眠くありません。まだまだ遊んでいたいのです。
「また、あしたね」
おかあさんは、部屋の電気をパチンと消していってしまいました。
部屋の中が暗くなっても、まだ寝たくないトンコちゃん。ベッドからそうっとぬけだしたその時。
窓のすきまから、ふわふわしたものが飛んできましたよ!
いったいなんでしょう。
その白くてふわふわしたものを、えいっとジャンプしてつかまえると、白い布みたい。トンコちゃんはクレヨンでお絵かきをはじめました。
あっという間に素敵な模様でいっぱいになったその布を、頭からかぶると・・・トンコちゃんのからだが宙に浮いたのです・・・!!
いいな、いいな、トンコちゃん。
トンコちゃんが夜空へ飛び出し行き着いた先は、なんとおばけがいっぱいいる雲の上なのでした。
夜になってもまだまだ遊びたい、そんな女の子が繰り広げる楽しい世界は、天真爛漫、自由そのもの。おまけにおばけたちまで楽しませちゃうなんて、トンコちゃんは素敵な子です。
「白い布」?それとも「おばけのドレス」?次はどんな子のおうちをおとずれるのでしょうね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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