あくたれねこのラルフは、セイラのねこです。
ラルフはいつも、いたずらばかり。
編んでいる毛糸をひっぱったり、ピアノでクリスマスの曲をひいているのに邪魔をしたり。
「ラルフ、ときどきあなたをかわいいとおもえなくなるわ」と、セイラに言われますが、ラルフは「あっかんべー」をしてへっちゃらです。
ある朝おきると、パーシーという名前のかわいいねこをセイラがだっこしていました。
「なかよくしてね」と言われますが、ラルフは気に入りません。
さあ、ラルフのパーシーへのいたずらがはじまります……!?
パーシーがずっと家にいるのだと思い、セイラをとられたと思うラルフ。
さんざんセイラを困らせたあげく、
「セイラはぼくより、こいつのほうがすきなんだ……」としょんぼりしてしまいます。
あくたれだって、やきもちを焼くんですね。
せっかくクリスマスを迎えるというのに、ラルフが見つけたプレゼントはパーシーへのものばかり。
ラルフのクリスマスプレゼントはどうなるのでしょう?
作者のジャック・ガントスは、子どもたちに、いたずらっ子で、感性ゆたかで、いつもいきいきとしていて欲しいと願い、あくたれラルフのお話を作ったそうです。
石井桃子さんが訳した『あくたれラルフ』につづき、『あくたれラルフのたんじょうび』『あくたれラルフのクリスマス』『あくたれラルフのハロウィン』と小宮由さんによってシリーズが次々訳されています。
とにかく、毎回笑顔になれるラストシーンはみどころの一つ。
中でもこの『あくたれラルフのクリスマス』はめずらしくラルフの甘えぶりがかわいいラストです。
それぞれの作品にファンがいるのも、ラルフのめちゃくちゃないたずらや表情ゆたかな絵が、子どもたちに愛されている証拠ですね。
元気いっぱいの子どもたちと一緒に笑いながら読みたい絵本です。
クリスマスはやっぱり大好きな人と過ごさなくちゃね!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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あくたれねこのラルフは、クリスマスもいたずらばかり。セイラが編んでいる毛糸を引っ張ったり、ピアノの上を踏み歩いたり……。とうとうセイラに叱られたラルフは、あっかんべーをして、自分の部屋に行ってしまいました。
次の日、ラルフが目を覚ますと、セイラがパーシーというかわいいねこを抱いていました。セイラからパーシーと仲良くするように言われたラルフですが、おもちゃの汽車のレールにパーシーをしばりつけたり、靴下をはさみでちょんぎったり、いじわるばかり……。
そして、クリスマスイブの夜、セイラが、ラルフとパーシーにお話を読んでくれることになりました。ラルフは、いつも通り、セイラのひざの上にすわろうとしますが……。
本作では、ラルフの嫉妬心も重なり、さらに“あくたれ”ぶりを発揮しています。それでも、セイラはラルフを温かく見守り、優しく包み込みます。ユーモラスなお話の中に、深い愛情がたっぷり感じられる絵本。
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