水俣湾に浮かぶ恋路島はずっと水俣の海を見守っています。「魚(いお)湧く海」と呼ばれるほど豊かだった頃、チッソが垂れ流した水銀によって水俣病が起こった頃、それから何十年もかけてようやく元気な海に戻りつつある今――。恋路島が語り手となって、命めぐる海のたくましさや、海の再生に励まされる水俣の人たちの姿を、温かな水俣弁で伝える写真絵本です。
写真絵本です。
タイトルが掛け言葉になっていて凝っています。作者のセンスの良さを感じました。
普通に読み聞かせに使うより、調べ学習として使ってみたり、
ブックトークとして、聞き手の子どもたちに重くならない程度に、日本各地の公害や自然災害などを取り扱った作品と一緒に紹介したりするのもいいかもしれません。
2013年の8月に出た本です。
正直、『水俣病』が世間を騒がしていたのはもう30年から40年前くらいのことなので、今の子どもたちには、ぴんと来ないかもしれませんが、
震災の影響で放射能漏れした福島の海のことなども添えて、お話ししてみたら、きちんとこの作品に描かれていることを伝えられる気がします。
海の再生力の強さや、その土地に住む人たちの底力を感じずにはいられません。
後書きに、チッソ工場から排出された汚染物質と、それによる公害の大まかな解説が載っています。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子13歳)
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