夏休みに初めてきいた戦争のおはなし 「おばあちゃんはね、むかし、うそをついたの」それは戦争中、物がなかった時代のお話。小学生のしんのすけの胸に、おばあちゃんの言葉がコトリと落ちてきました。
とっても可愛らしいタイトルがずっと気になっていた絵本。
でも読んでみたら
その内容は想像していたものと全く違いました。
キャラメルが食べたいな…
と思っている病床の弟に掛けた言葉。
「にわのあの木 キャラメルがなるんだって。」
弟が亡くなってからもずっと
おばあちゃんの心を締め付けていたのです。
心残りをさせたまま逝かせてしまった…
自分は弟にうそをついてしまった…って
感じてしまったのでしょうね。
その時はきっと
弟を励ます意味で言った言葉だったでしょうに…。
死んでしまった後の世界の事はわからないけど
逝く人を見送り この世に残る人が
心を痛めて過ごすことの辛さをひしひしと感じました。
そういう意味では
主人公のしんちゃんは
おばあちゃんの心残りをなくしてあげてから
見送ることが出来て 本当に良かったと思います。
もちろん おばあちゃんも
心の重石を取り払ってもらい
穏やかな気持ちで最期を迎えられたに違いないでしょうね。
悲しい結末ですが
誰にでもいつかは訪れる死について
逝く側と見送る側の
両方の気持ちを想像させられるお話でした。 (西の魔女さん 30代・ママ 女の子13歳、男の子9歳)
|