草むらの緑が眩しい季節。葉っぱの上でふにゃぁっと寝そべる至福のひとときを過ごしてる。
ニホンアマガエル、みいつけた!
「ぼくは、ニホンアマガエルじゃないよ。よく見てごらん」
すっかりニホンアマガエルかと思っていたのは、実はシュレーゲルアオガエル、ですって。
でも一体、どっちがどっち?
そっくりな2匹を比べてみれば、鼻先が短くてまあるくて前から見ると目から鼻にかけて黒いラインがあるのがニホンアマガエル。一方のシュレーゲルアオガエルの顔には黒いラインはないし、口先がとがっていて目と目が離れてる、なんだかひょうきん顔!
同じような場所に棲んでいて一見見分けはつかないけれどど、前から後ろから横から、よーく目をこらすとそれぞれ「ちょっと」違うんです。
アマガエル、ヒキガエル、アカガエル・・・私たちがひとくくりに「カエル」と呼んでいた彼らは、棲む地域や環境によって実に微妙に姿かたちを変えている。そっくりだけど実は種類が違うカエル仲間たちが周りにこんなにいたなんて、まずは驚いちゃいます!
目の位置、同じ色でも模様の有る無し、足の長さや吸盤の大きさ。
パッとみただけじゃ絶対に見分けがつかないカエルの姿勢。でも2匹並べてみるとピーンと威勢がよいカエルがいれば、背中をまるめてこじんまりしているカエルもいて。確かに違う・・・おもしろい!
写真を通してその生態系や特徴がよくわかるのはもちろんのこと、釘付けになるのは今にもおしゃべりしそうなカエルたちのユーモラスな表情。
個性豊かなカエルくんたちに、図鑑を開いたときには味わえない親しみを感じちゃうのは、この絵本の著者が写真家松橋利光さんだからでしょう。松橋さんといえば大のカエル好き、カメラを始めたのもカエルがきっかけという別名「カエルカメラマン」!
その魅力はページからあふれんばかり、著者のカエル愛がヒシヒシと伝わってくるんです。
鮮やかにイキイキと写るカエルたちが印象的ですが、カエルあてクイズ、種類によって違うカエルの持ち方のコツなど、子どもたちにとっては読みごたえもたっぷりです。
カエル好きにはもうたまらない。カエル好きならずとも思わず目をこらしちゃう。
かわいいだけじゃない!カエルたちの世界を、著者と一緒に堪能してくださいね。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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