さねとうあきらさんと井上洋介さんのペアはなにやら怪談をとりあげているようですが、井上洋介さんの絵を通して情に食い込んでくるような作品が多いのでは。
その中で(まだ3作しか見ていませんが)、この作品には人間のぬくもり、母の子に対するぬくもりが感じられる作品です。
井上さんの絵がほとんど淡色で墨絵のような世界を作っている中で、死んだ母の生まれ来る児に対する愛おしみがにじみ出てくるような作品になっています。
毎夜あめを買いに来る女性。
七日目には金が尽きてしまったけれど、あめを差し出したあめやの主人は帰る彼女の後をつけていきます。
そして、墓の中から赤ん坊の泣き声が…。
文章にすると怖〜いお話ですが、読み終わった後はなにやら心にぬくもりをいただいたような怪談です。
読み聞かせしても怖くないよ。