父方の祖父は早くに亡くなり、祖母も私が生まれて間もなく亡くなった。
母方の祖父は結構長生きしたが、その膝に抱かれた記憶があまりない。
世の中におじいちゃん子おばあちゃん子がいることは知っているが、自身そんな記憶がないからうらやましくもある。
なので、この童話(これは「はじめてよむどうわ」シリーズの一冊なのだ)に登場するこぐまのくまくんのことをいいないいなと思いながら読んだ。
だって、くまくんはおじいちゃんとおばあちゃんにとっても愛されていうのだから。
ある日こぐまのくまくんは森の中の小さな家に住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんをたずねます。
くまくんはここに来るのが大好きなのです。
何故なら、この家にはきれいなものが飾ってあったり、おばあちゃんのごちそうがいただけるのですから。
しかも、おじいちゃんは遊んでくれるし、おばあちゃんは楽しいお話を聞かせてくれます。
この本の中には四つの童話がはいっていて、最初がおじいちゃんとおばあちゃんの紹介になっていて、つぎに若い頃のおばあちゃんが経験したこまどりとの交流、次はおじいちゃんが話してくれる「こびとのコブリン」のお話、そして最後はすっかりくたびれて眠ってしまったくまくんをおとうさんとおかあさんが迎えにくるお話。
ひとつひとつ読んでもいいし、まとめて読んでもおかしくない。
とってもうまくできています。
この本は童話ですが、絵もちゃんとあって、しかもそれが『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダックですから、それもうれしい一冊です。