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光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島」 みんなの声

光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島 作:朽木 祥
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:2013年10月11日
ISBN:9784062183734
評価スコア 4.6
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  • 作者の朽木祥さんは1957年広島に生まれた、被爆二世の女性だ。
     デビュー作『かはたれ』以降、児童文学で数々の受賞歴を持つ児童文学者で、広島の原爆を扱ったこの作品も児童文学に括られるでしょうが、成人が読んでも十分に鑑賞できるし、むしろどの世代であっても多くの感動が得られることと思う。

     主人公は12歳になる中学生の希未。
     終戦から25年とあるから、物語は昭和45年の広島だろう、おそらく主人公の年齢はほぼ作者と同じと思われる。
     希未のまわりにはまだたくさんの戦争の犠牲者、原爆の被害者がいた。
     美術部の顧問吉岡先生もその一人。あの日の原爆で許嫁であった女性を亡くしている。
     身近な人にそんな悲しい出来事があったことさえ、あれから25年も経つと忘れていることに希未たちは愕然となって、身近な人たちの悲惨な体験を学ぼうと決める。
     あの朝、ぐずる息子を叱り、追いやるように学校にせかした母の、悲しい後悔。
     大きな骨の周りに寄り添う六つの小さな骨は、あの日原爆の犠牲にあった女先生とその先生を慕った学生たちではないか。
     原爆だけではない。希未の母にも秘密があった。それはかつての恋人が遠い戦場で亡くなったこと。
     愛する人を戦争で、原爆でなくなった、その事実を12歳の少女は知ることになる。
     そして、そんな大切な人を忘れないということも。

     この作品には「小山ひとみ」という戦争を詠んだ無名の歌人の歌が何度も出て来る。
     朽木が書くように、世界にはたくさんの「小山ひとみ」がいるだろう。
     それは何十年経っても忘れてはいけない。

    投稿日:2019/08/06

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  • 戦後25年当時の広島

    昭和40年生まれの私が子供の頃は、戦争や原爆をテーマにした優れた児童文学がたくさんありました。
    「ふたりのイーダ」「あるハンノキの話」「8月がくるたびに」など...。
    テレビでも、朝ドラで「藍より青く」「鳩子の海」など、戦時中の時代設定のものが多くありましたが、近年は8月6日当日になっても新聞のテレビ欄は通常の番組のままです。

    それは当たり前のことで、作り手の方に「体験」のある世代がもう居ないわけです。
    しかしこの作品の著者である朽木さんは、そこを「戦後生まれの私」が見聞きした広島という視点で、原爆を知らない世代にもすんなり受け取れる鮮やかな物語を紡ぎだしました。

    直接、業火に人が焼かれる場面や、やけどの皮膚に虫が湧くような酷い描写はありません。
    でも残された人たちの、後悔や悔しさから深い悲しみがちゃんと受け取れます。

    冒頭の「あなたは幾つ?」と知らない老婦人に急にまっすぐに問われる場面、そしてお母さんの「……誰かを捜しとる人が広島には今でも、えっと(たくさん)おられるからねえ」という言葉には、ぐいっと魂を掴まれた気がして、そこから一気に読み、またこれをきっかけに人生で1度は広島に行かねば、と思い立ち、小4?20歳の子3人を連れて家族修学旅行へも行ってきました。

    主に中学生向けかとは思いますが、難しい漢字には初出に必ず振りがながある(これはとても大事なことです)ので、小学校高学年から読めると思います。主人公の希美が6年生の夏から始まるので、親近感を持つのではないでしょうか。

    6年生の朝自習で本の紹介だけして、中学校に上がったら図書室にあるので手に取ってみてください、とお話しました。

    投稿日:2023/07/10

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  • フィクションだとは思えませんでした

    一瞬にして人々の人生を奪った広島原子爆弾、被爆後に多くの人々の人生を狂わせた広島原子爆弾について、様々な人間を通して、考えさせられる作品でした。
    実話であるかのように臨場感があるのですが、本当の人たちの姿を写し撮っているのでしょうか。
    あの悲惨さが繰り返されてはいけないと、痛感しました。。

    投稿日:2022/10/12

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  • 知ることから。

    親の世代も祖父母の世代さえも戦争や原爆投下について知らない、そんな子供たちが多くなってきた現代。
    もう知るすべは限られてきているのでしょう。
    そういう意味でも、こういう本はとても意義のある、多くの方に読んでほしい本に思いました。
    切なくて悲しくてやるせないのですが、知ることにより未来を担う者たちは、当時の方達の想いを未来に繋げていかないとと思いました。

    投稿日:2021/01/27

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