アフリカで冬を過ごしたつばめのビジュー。南の国からやってきたフルール。二羽はお互いをひとめ見て好きになりました。協力して巣を作り、卵を見張ります。
ある日のこと、ネコと蛇に巣が襲われそうになります。その時助けてくれたのは、巣のすぐ下の窓辺に住む、若い恋人達でした。
巣立ちの時が近づいていたビジョーとフルール、つばめの子たちは二人のために助けてもらったお礼をしたいと考えます。
自分達の力で、飛び立っていくつばめの子供達と、人生の新しい門出を迎えた二人。とても希望を感じさせるラストシーンになっています。
つばめの成長と、若者達の恋物語が同時に進行していくお話しは、子供だけでなく私にとっても興味深いものでした。
つばめの飛んでいる場面の仕掛けも、とても効果的に作られていて感心しました。
どことなく東欧の街を思わせるような絵も、落ち着いていて素敵です。
この作者のお話し&絵は、生クリームのたっぷりかかったケーキのような華やかさはないけれど、ナッツやドライフルーツのたっぷり詰まったパウンドケーキのような味わい深さがあって、私と子供は大好きです。