新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

アンナの赤いオーバー」 みんなの声

アンナの赤いオーバー 作:ハリエット・ジィーフェルト
絵:アニタ・ローベル
訳:松川 真弓
出版社:評論社 評論社の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:1990年12月
ISBN:9784566002883
評価スコア 4.77
評価ランキング 661
みんなの声 総数 55
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  • 温かい想い出と共に

    屋根も壁も崩れ落ち、荒廃した街並み。そして、お話の1番初めの言葉は、「戦争」・・・。ここを避けては、物語の先へ進むことはできません。娘には、まだ、戦争という言葉も、その意味も教えてありませんでした。小さいうちは、なるべく、夢のある、楽しい絵本を多く読み聞かせてあげたいと思い、戦争を扱ったお話にも触れずにきました。

    どのように話そうかと心構えもないまま、最初のページを開くと・・・。目を負傷した兵士の絵を見て、「Fightやったの? それで負けちゃったの? かわいそうだね・・・」と娘。
    まず戦争について、さらっと説明をしてから、「日本とアメリカもね、昔、戦争をしたことがあったんだよ」と言うと、娘は、「えっ!」と驚き、「Jが生まれる前に?」と聞いた後に、「またやるの?」と続けて言いました。とても、とても心配そうな、真剣な表情でした。私もまっすぐに娘と向き合って、「きっともうやらないと思うよ。」と、心の底からそう願いながら答えました。

    物語は、決して悲しいものではなく、希望に満ち、人々の温かさにあふれています。
    オーバーを作る工程は、「ペレのあたらしいふく」と重なり、「ペレは、青い色にしたけど、アンナは赤く染めたんだね」などと話しながら、楽しく読めました。染め粉を使う代わりに、お母さんといっしょに摘んだコケモモの煮汁で糸を染めるところが、特にすてきだな、と思いました。このオーバーを着るたびに、きっとコケモモ摘みの温かい思い出に包まれることでしょうね。

    娘のお気に入りは、アンナが羊の首に紙のネックレスをかけてあげ、クリスマスキャロルを歌ってあげる場面と、「毛糸をありがとう。」とお礼を言うアンナに、ひつじたちが「メエエエエ!」と、にっこりこたえる最後の場面。こんなにかわいらしい羊の毛でオーバーをつくってもらったアンナは、ほんとにしあわせだなあ、と羨ましく思っているようです。

    この絵本に関しては、あまり感想を言わない娘ですが、手渡したその日から毎晩続けてもってきて、静かに、うれしそうに、聞いています。

    投稿日:2009/04/23

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  • 赤いオーバーが象徴するもの

    知人に勧められて手に取りました。
    戦争を背景にした実話とのこと、前書きも重々しく、覚悟してページを開きました。

    終戦後の物が手に入らない時に、羊牧場の主人、糸紡ぎの女性、機織りの女性など、様々な人達との物々交換や、自ら染料になるコケモモを摘んだりして、年月と手間をかけて、娘のために赤いオーバーを作るという話。

    途中までは、何か、違和感を感じながら読みました。物が手に入らない時代といいつつ、それでも、宝飾品や装飾品を持ち、食料に困った様子もなかったからです。

    でも、終盤、赤いオーバー作りに関わった人達を招いてのパーティーのシーンで「おや?」と思いました。これは、赤いオーバーのその向こうにあるものを伝えたい絵本なのかな?と。

    時をおきながら、何度も読んで、考えていきたい一冊だと思いました。

    投稿日:2022/11/28

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  • 一着のオーバーが出来上がるまで

    戦後のモノもお金もない時代の物語。
    一着のオーバー、今は当たり前のように手に入ってしまいますが、
    当時はそれを手にいれるのがどれだけ大変だったのかが描かれています。
    アンナに赤いオーバーを作ってあげる為、家中の色々なものと引き換えに、
    羊毛を手にいれ、糸を紡いで、機織りで布地にして、、と様々な工程をへて、一着のオーバーが出来上がる様子には感動しました。
    当時はモノがなかなか手に入らなかったんだよとか、モノは大切に、とか色々言いたくなりますが、子供たち自身で感じてくれたらなぁと思います。

    投稿日:2020/12/09

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  • クリスマス

    • みちんさんさん
    • 30代
    • ママ
    • 愛知県
    • 女の子7歳、女の子5歳、女の子1歳

    クリスマスに読んでもいいかなー。
    戦後、お金がないアンナの家。
    物と交換条件でコートを作っていきます。
    羊毛を頼んだり仕事を頼んだり。
    時間はなんだかんだでかかったもののコートができていく様がすてきでよかったです。
    ハッピークリスマス!

    投稿日:2018/12/01

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  • 静かな感動

    • じっこさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子6歳、男の子2歳

    戦後すぐのお話。一人の女の子にオーバーを作ってあげるために、お母さんが奔走するお話。ひとつのコートを作るのに、まず羊の毛を刈って、糸をつむいで、コケモモで色を染めて・・・と、今では信じられないくらい時間と手間がかかります。しかし、だからこそ、オーバーが出来上がったとき、読んでいる私も感動しました。オーバーはとても大事にされることだと思います。アンナを囲んで過ごすクリスマスは素晴らしかったことでしょう。今ではこういうことはなかなか経験出来ないことだと思いますが、この本を読んで、物を作る大変さや素晴らしさなど、少しはわかるかなと思います。

    投稿日:2017/10/21

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  • 満たされた気分

    • まことあつさん
    • 30代
    • ママ
    • 新潟県
    • 男の子4歳、男の子1歳

    なんか読んだことがあると思うと、
    「ペレのあたらしいふく」に似ているんだと思い当りました。

    でも、このお話は実話を元にしたようで、
    最初、戦争のことを語ってあり、
    暗いお話かなと不安になって読んだのですが、
    お母さんの大切なものを交換しながら
    コートを作ってくれるよう依頼して行くのが
    今のお金を出したらすぐ物を買えるのと違い、
    一つのものに多くの人がかかわり、
    一つの物の重みが違うと
    読後はなんだかとても満たされた気分になりました。

    4歳の息子も赤いきれいなコートを気に入ったようです。

    投稿日:2017/01/19

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  • つまっている

    赤いオーバーがほしいけれど店も無くお金もありません。欲しいといってすぐに物を手に入れることができず、家にある金時計やポットのかわりに、糸をつむいでもらったり、仕立ててもらいます。とても時間がかかり、また人の手も心も必要なのです。こうやって一つのものを手に入れるために、こんな経験をすることは今の時代難しいのかもしれませんが、これをよむと、物を大切に、なんていうことは教えなくても出来たんだなとおもいました。羊に感謝をするところも素敵です。ペレのあおいふく、と内容は似ているのですが、大切なことがつまっているとおもいます。

    投稿日:2015/10/07

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  • ないでしょうか。毛糸が乾かされている場面は一瞬屠殺場か何かに見えてしまいました。オーバー制作に携わった方々にお礼の意味も込めてクリスマスパーティー。色んな物と引き換えにして作って貰ったオーダーメイドのオーバー、とてもよく似合ってるよ!

    投稿日:2014/12/25

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  • 戦争の後、娘にコートを作ってあげたかったママのお話。自分のもつ大事なものを次々に、宝石や食器と交換に、毛をもらったり、つむいでもらったり、染めてもらったり、、、としていき、やっと最後に赤い綺麗なコートになります。

    今の価値で言うと、宝石をいくつも手放して、コートにするのはちょっともったいないと思うけれど、子供を暖かく、そして明るい気持ちにするために大切なものをたくさん手放す母親の姿が、オ・ヘンリーの時計と櫛の話のようで、感動的でした。

    しかも最後に、クリスマス祝いでパーティに全員、コートを作った人をよんで料理をふるまうなんて、、、、戦争でお金がないところなのにいいのかなあ、食材を大切にしたほうが、、、といろいろ勝手に心配しましたが、とても心が広いのだなあと思います。

    投稿日:2014/10/23

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  • 一枚のオーバー

    たった一枚のオーバーを手にいれるまで、とても長い時間と、たくさんの人の手間がかかっていましたね。
    「欲しい」と思ったら、なんでもすぐに手にはいることに慣れてしまっている私達には、驚くばかりでした。
    きっと、こういった背景があるから、「物を大切に」という気持ちもうまれるのでしょうね。

    投稿日:2013/12/03

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